関東大震災からの復興

大正12(1923)年9月1日、関東地方にマグニチュード7.9の大地震が発生しました。震災発生の翌日に山本権兵衛え内閣発足し、復興事業を担う内閣総理大臣直属の機関として「帝都復興院」が設立されました。帝都復興院の総裁には、内務大臣の後藤新平(元東京市長)が就任しました。後藤を中心に復興計画が作成されました。
計画は、政府原案の15億円から最終的には4億6,844万円にまで削減されたものの、近代的な都市計画手法を初めて取り入れるなどの成果を残し、後の戦災復興計画にも影響を与えました。復興計画に基づき、主に焼失区域において、街路、橋梁、河川、運河、公園及び土地区画整理等の事業が行われ、今日の東京にもつながる社会資本が整備されました。

復興局公認 東京都市計画地図

大正13(1924)年 江戸東京博物館蔵

罹災世帯は東京市の73.4%、大火による市の焼失面積は約3,465haで市域面積の44%にのぼりました。帝都復興事業は街路計画、予算規模について審議された結果、計画の修正、縮小が行われました。本図は最終決定された計画案です。帝都復興事業による土地区画整理事業は、一部の強硬な反対を受けつつも国と東京市により大規模に実施され、施行面積は東京の焼失面積の約9割、およそ3,117ha余に及びました。

震災復興大公園

出典:東京市『THE RECONSTRUCTION OF TOKYO』

隅田公園、浜町公園、錦糸公園は、当時「震災復興公園」としていずれも用地買収によって整備されました。今日の東京においても貴重な社会資本となっています。

復興小学校と小公園の整備

出典:「昭和5(1930)年 『 復興校舎落成記念写 真帳 』 より和泉小学校校舎 江戸東京博物館蔵」

復興小学校と小公園の整備

復興事業では、不燃化構造のコンクリート建築で、ガスや電灯、水道ほかの設備を完備する近代的な小学校舎が建築されました。これら復興小学校の大半には、隣接して小公園も整備され、避難場所としての機能を持ちました。

幹線道路の整備

昭和5(1930)年

「帝都復興記念帳」より第一号幹線の空撮写真 江戸東京博物館蔵現在の中央区日本橋二丁目付近の空撮写真です。縦に走る第一号幹線(昭和通り)、画面中央を横切る第三号幹線(永代通り)の整備が進んでいます。

復興した橋梁清洲橋

都立中央図書館蔵

崩落した隅田川の多くの木造の橋に代わり、「震災復興橋梁」と呼ばれる9つの鉄製の橋が整備されました。このうち、両国橋、厩(うまや)橋、吾妻(あづま)橋は国によって整備され、相生(あいおい)橋、永代橋、清洲橋、蔵前橋、駒形橋、言問(こととい)橋は東京市によって整備されました。そのほか昌平橋、万世橋、聖(ひじり)橋など震災復興で整備された橋梁が、今なお現役で使われ続けています。写真は復興した清洲橋、全長186m、幅員22m

昭和初めの同潤会青山アパート

大正12(1923)年の関東大震災の住宅復興を目的に、義捐金(義援金)をもとに、内務省の外郭団体として財団法人同潤会が設立されました。同潤会は、当時の住宅不足を補うため、ただちに木造住宅の建設に着手しました。大正15(1926)年からは日本最初期の近代的な鉄筋コンクリート造の耐震耐火アパートを建設し、入居が始まりました。同潤会アパートは、当時まだ珍しかった鉄筋コンクリート造の建物に、狭いながらもガスや水道、水洗便所を備えた賃貸住宅として新たな生活様式を提示しました。同潤会アパートは、昭和8(1933)年までの約10年間で、東京都内、横浜市内に計16箇所、約2,800戸が供給されました。

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復興まちづくり動画・復興デジタルアーカイブ

動画「関東大震災100年」
~100年先も安心を目指して~

震災後の後藤新平らの未来を見据えた復興まちづくりや、これからの100年を見据えた防災都市づくりを分かりやすく伝える復興まちづくり動画や、震災・復興・現在の3時代のGISの地図上に、写真、動画等を配置し、各時代のまちづくりについて、パソコンや携帯で閲覧できる復興デジタルアーカイブを公開。

関東大震災復興100年教材

関東大震災100年を子供たちの防災意識を高めてもらう機会と捉え、授業や防災訓練等で活用できるデジタル教材を都内の国・公・私立学校のこどもたちに向けて配信しています。
本教材は、震災当時の様子や復興の過程を写真や動画で紹介しており、先人の知識や教訓から災害時に自分ができることを考える内容となっています。

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